ウチの近所のガラスやさんのお話

うちの近所にはガラスの専門店があります。ガラスなんてそんなにしょっちゅう交換するものでもないのだから、なんでつぶれてしまわないのか不思議で仕方がないのですが、ずっと昔から続いています。
竿竹屋さんじゃないけれど、なにか秘密があるのではないかと考えていましたが、ついこの間台風がきたとき、うちの1階のベランダの窓ガラスにひびが入ってしまったのです。母親はすぐにガラス屋さんに連絡をすると、ものの10分で飛んできてくれました。さっそく母親がベランダに案内しようとすると、持参したスリッパのようなものに履き替えて家に上がってきたのです。しかも外は大雨でしたから身体もかなり濡れていたのですが、これまた持参したタオルでひととり身体を拭いて、少しでも家の中を濡らさないよう配慮してくれていました。

そしてベランダまでいくと、そこで割れた窓を確認し、手早くテープを取り出して割れた部分に貼りだしたのです。見る見る窓ガラスの応急処置を終えてしまうと、母に断りを入れてからガラス屋さんはその写真を撮りました。そしてそれが終わるとメジャーを取り出してサッシの長さなどを測り、なにやらメモしたあとこう言いました。
「実はこの台風で、近所の他のところでも修理依頼を受けています。こちらの御宅はこの応急処置でしばらくは大丈夫ですから、明日改めて修理に伺うということでよろしいでしょうか?」
あとからわかったことですが、その日は夜中まで近所の家を走り回り、雨風が吹き込まないよう、そして危険が家の人に及ばないよう対処していたそうです。
その後、一軒ずつ窓ガラスの交換修理をしてくれたガラス屋さんは、そんなときでも普段通りの金額で仕事をしていたそうです。どんなに緊急で大変な作業でも割増料金は一切取らなかったということですが、こうした誠実な仕事ぶりはご近所でも評判になりました。

近所のガラス屋さんの潰れない理由はこのあたりにありそうです。

機会があれば頼んでみてくださいね。

柏のガラス屋さん